日中韓 棟梁の技と心 竹中大工道具館開館30周年記念巡回展 [図録]

本書は、日本を代表する建築工具専門博物館である竹中大工道具館が開館三十周年を記念して刊行した巡回展公式図録である。東アジア三国（中国・韓国・日本）の建築棟梁に焦点を当て、伝統木造建築の技術と精神の共通点および多様性を国際的視点から探る。

展覧会では、紫禁城（中国）、景福宮（韓国）、薬師寺（日本）といった代表的古建築を手がけた匠たちの仕事を紹介し、世代を超えて受け継がれる「技」と「心」を浮き彫りにする。図録には、各国の棟梁が用いる道具や作品の実物写真、製作過程の記録が高精細カラーで収録されており、中国の官式建築に見られる精緻な榫卯構造、韓国宮殿の華麗な彫刻装飾、日本寺院建築の簡素で禅的な美意識が対照的に描かれている。

また、専門研究者による論考を併載し、読者は視覚的な美しさのみならず、東アジア木工文化の歴史的背景と現代的意義についても深く理解することができる。

出版  竹中大工道具館

発行  2014年

頁数  191

サイズ  260×190mm